機械じゃなく、自分の手で作るやりがい

以前は自動車工場で働いていました。自動車はオートメーションで作る部分が多く、私たち工場で働く者が覚えるのはボタンを押す順番くらいでした。
左官屋で働く同級生に声をかけられたのがきっかけで、左官職人の道を選ぶことになりました。左官は本当に手作業で、ビルやマンションなどの見上げるほどの大型建造物を文字通り自分の手の技術で作り上げるロマンがあります。これが私にとってのやりがいでもあり、悔しく感じる部分でもあります。
上の職人さんたちは、皆鼻歌を歌いながらやっています。それなら私だってできるぞと真似てみても、なかなか同じようにはできません。仕事が上手い人ほど、「簡単にやっているように見える」だけ。自分自身の技術を身につけていく。先輩方のようにはできないことが、悔しい・恥ずかしいと思いつつ、自分が目指す道を示していただいているような嬉しい気持ちを抱いています。
すぐに成果を求めない

この仕事の最大のやりがいは、現場を納めることかな。一棟完成させるごとに、やりがいがある。大変なことも多いけれど、仲間がいるからやってこれた。
技術を身につけるということは、一ヶ月、二ヶ月でできることではない。すぐに成果が出ないのは当たり前のことなので、簡単に向き・不向きを決めずに、先輩の仕事をよく見て、わからないことは聞いて覚えていってほしい。